レッツ人形劇レッスン!

長谷川
人形劇レッスンを受けました
人形劇レッスンを受けました
とても晴れて心地良い5月のある日 
えだまつこずえさんをお招きして
人形劇のレッスンを受けました。
*前回のレッスンの様子はこちら↓
コラム「ワークショップを受けました」
http://www.kyougei.com/index.php/column/archives/196


まずは、アレクサンダーテクニークの考え方をベースに
身体の重心の捉え方と呼吸のレッスンです

筋肉の緊張で立つのではなく
骨によって立つイメージ
アウターマッスルよりも、インナーマッスル
身体のどこにも負荷をかけない 
やわらかく強い状態

こずえさんの声かけで
身体の重心を意識しながら丁寧に呼吸をしていきます

頭から息を吸って、身体の中、骨を通って、足の裏から吐き出していく
もちろん実際には頭や足の裏で呼吸はできませんが、イメージを豊かにつかって身体に呼吸を通していきます


とはいえ、レッスンを受けるメンバーは各々、探り探り。
できてるかな?中を通っているのかな…? 
なかなか感覚が掴めず、内省的な呼吸に

「自分の中、中!って思いつめると縮こまってしまうの。そうだ、今日は外に出よう!」

そうして稽古場を出て
外でレッスンをすることに
劇団の周りは竹林や畑や山があります。
広い空、鳥の声、青々とした木々
稽古場の外には5月の鮮やかな世界が広がっています
 
稽古場の外に飛び出します
稽古場の外に飛び出します


「息を頭から吸うイメージを持つときには、外のものを取り込んじゃうの。わあ、あの葉っぱキレイね。
形がステキ。あれ、取り込んじゃおう。さあ、吸ってー!」

こずえさんの声に促されて、目に飛び込んだ美しい葉っぱを
見つめます。そして息をゆっくり大きく吸う。
頭から葉っぱが入って身体の中を通って足の裏から出ていく 
はっきりしたイメージが駆け抜けていきます

「いいね!そう。五感をはっきり使って。頭で考えて内側に向かうんじゃない。
具体的に見る。具体的に聞く。さあ何でもいいの。取り込んで呼吸をしていこう。」

小さな黄色い花
伸びすぎた大きな藤の幹
空を走る飛行機曇
劇団員の車
溜池の水の音 
ウグイスの声 
春の匂い 
風の感触

見た、感じたひとつひとつを
具体的にはっきりと
頭から吸い込み、足の裏から吐き出して、また返していく
うまく出来てるかな?なんて考えていたときより
ずっと豊かに深い呼吸が巡り、重心が安定していきます

メンバーみんな身体がふわっとやわらかくなった感覚を得たところで
そのままストレッチ 


身体も心もほぐれたところで今日のメイン 
玉人形のエチュードです
 
玉人形が何になって何ができるか書き出します
玉人形が何になって何ができるか書き出します


玉人形とは指に丸い頭を指しただけの簡単な人形
シンプルな人形なのでとても奥深くて面白いです

さて、まず玉人形が何になれるか
それぞれ配られた紙に思いつきをどんどん書き出します

生き物だったら何になれる?
モノだったら?

それから行動を書き出していきます
単純なあそび、または他者と関係性のある行動

書きおわったらメンバー同士内容を紹介し合います
自分が考えもつかなかったことが出てきて
とても面白いです

「じゃあ、出てきた中から行動を選んで!その中で好きなものになって」

そんなわけで、玉人形のエチュード(即興劇)がはじまりました

まずは3分間のエチュード
玉人形でそれぞれの役を人形の身体めいっぱい行動的に演じます
役は、豆と鰹節と羽虫
深く考えこまずに、パッとその役に飛び込みます
玉人形で鰹節!

さて即興劇の内容は
豆と鰹節と羽虫が台所でドッチボール
豆がドッチボールのボールになって飛び交いますが
鰹節は軽すぎて、羽虫は飛んでばかりで揉める3分間
豆はぐったり かわいそうに


次は5分間 
イルカとダンゴムシと砂!が歌舞伎の練習に励みます
イルカとダンゴムシが上手に見栄を切るけれど、砂はキリッと形を保てない
イルカとダンゴムシが砂を両脇から支えてあげて3人で見栄を切って練習に励む5分間
砂が暴れてはイルカとダンゴムシが砂まみれになって大変でした
 
ダンゴムシ、砂、イルカが歌舞伎の練習に励みます
ダンゴムシ、砂、イルカが歌舞伎の練習に励みます



ラストは8分間
美容室で初めてお客さんの髪を切る新人さんのところに、常連のおばちゃんと11歳の男の子がやってきます
この美容室、なぜか今日は店長も他の店員も不在 
この新人さんだけで店を回している模様 
こんな風にして!と少年が指差す雑誌の髪型に似せようと、新人さんは悪戦苦闘 
常連のおばちゃんも「この辺切った方がよくない?」と横から口を出してくる
すったもんだの美容室の8分間
ラストにこの少年、明日ピアノの発表会があって髪を切りにきたことがわかり
責任の重大さに新人さんもおばちゃんもヒヤリ。
だ、大丈夫!変じゃないから!似合ってる!



そんなこんなで物語を無事に終えて
今日のレッスンも終了です
今日だけの一瞬の物語が、稽古場で生まれ
共に分かち合った人たちに染み入ってまた去っていく
この感じが即興劇の魅力のひとつだなと思います 



普段公演している人形劇とはまた違う
小さな短い舞台を通して
自分たちの中心を確認する貴重な時間をもらいました
忙しい毎日ですが、
レッスンを活かして、役者としての重心を捉えていきたいです