韓国 国際人形フェスティバルに行ってきました!

河合
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2025年5月23日から6月1日、韓国・春川(チュンチョン)にて開催された、
国際人形劇フェスティバル(第24回ウニマ総会)に、最後の3日間、(観劇)参加してきました。
観てきたものを、少しずつ、ご報告します。
制作部の河合です。

5月30日~6月1日、国際人形劇フェスティバルに参加してきました。

春川は韓国の北の方の小さな街。「冬のソナタ」の撮影地なんだとか。

仁川国際空港からバスで2時間ほど。私(と娘)は、ソウルから出ている特急電車に(1時間くらい)乗って行きました。
山越え川越え、、、といった感じの道中に、おそろしく高いマンション群が見えては流れ見えては流れ、、、。
韓国は地震がないので高層建築が多いんだそうです。

さて、道中はホントにいろんなことに出くわし、書き連ねるととんでもないことになりそうなのでいろいろ端折ってご報告します。
(子どもに優しい韓国と聞いてはいたけど、3歳児と一緒にいるともう、すごい。お土産話が尽きません・・・)

30日のお昼過ぎに春川に到着し、一息ついてから、
春川市立人形劇団(ChunCheon City Puppet Theater Company)「ダルナラのいたずら」を観るためにKT&G Sangsangmadang(サンサンマダン) へ。
ウニマ総会が開かれていたホテルに隣設された、現代的な建物。カフェあり、噴水あり、野外ステージあり。川沿いで自然も多い素敵な場所でした。

入場前のロビーに既に工夫が凝らされていて、発達障害のある方たちが各所を案内してくれました。
「すべての生き物にはそれぞれのリズムがある」という作品の(劇団の?)テーマが会場に入る前から表現されている空間でした。

「宇宙庭園」を舞台に、「宇宙庭師」がすべてのものがよりよくなるように世話をしている。
そこに遊びにやってくる「宇宙キツネ」と世界の音から逃げてきた「ウサギ」。

会場に入ると、空間全体がほとんど舞台になっており、客席は各壁際三か所に塊になって観る、そこを仕切るのはゆるく置かれた紐のみ。ぎりぎりまで小道具や照明が置かれている。

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公式の動画はこちら→https://youtu.be/wY2q7LdIOA8

客入れの間にもパフォーマンスが始まっています。
生活の身近にあるいろいろな道具が、様々な方向からの照明に当てられてそれぞれに印象的です。

言葉のない舞台でしたが、人形として出てくる「キツネ」と「ウサギ」の、それぞれにとっても魅力的な造形と、細やかさの際立つ人形操作で、ストーリーが何となくわかるような、でもわからなくても今この瞬間がとてもキレイだ、と思う時間が多くあったのが印象的です。(あらすじがパンフレットに書かれていましたが、ハングルだったので読めていなかった…)

舞台のあっちこっちで何かが動いていて、全体を注視できないようでいて、でも「変化」には気が付ける感覚のおもしろさがありました。
韓国や中国にも「月で餅を搗くウサギ」の伝承話があり、「キツネ」がいたずらをする、というのは日本の昔話にもあり、、、
古典の要素に幻想的・未来的なイメージを融合させて、そこに大人が感じるもの、子どもが感じるもの、それぞれの世界があること、けれど別々のものではなくて繋がっていること、そしてそれを全年齢(あるいは年齢に限らず、すべて)を対象として開いていることの包容力。

「柔らかい意思のその強さ」みたいなものを感じる作品でした。

今回アンコール特別公演だったようですが、もう一度見たいなぁと思う作品です。





翌日31日は、朝からジェットコースターみたいなバスに揺られて春川人形劇場へ。

開催期間のうちの土曜・日曜は、野外劇場での公演やOFF Festivalという野外パフォーマンスが開催されており、とりあえずその辺りにいたら何かが観られる、という日でした。

ホール内での公演には年齢制限のあるものが多く、大人向けの作品も多かったため、今回は野外パフォーマンスをたくさん楽しみました。

この日唯一チケットを買って観たもの(春川人形劇場じゃなく、道向こうのHybrid Arts business centerにて)は、
Ground Komo(韓国)「The moon children」

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ミニチュア(40センチ角くらい?)の小さな舞台セットで演じられているものを撮影し、リアルタイムで客席前のスクリーンに大きく映し出す、という手法の舞台でした。スクリーンのすぐ脇で舞台を撮影しているので、操演の様子も覗き見することができました。

こちらはセリフはないものの、絵本のように手書きの文字が映し出される(ハングルと英語)。(この時に舞台は転換していたりするし、それも横目で見える。)
女の子が作り出した「Moon child」が、子どもたちのちょっとした(と大人には見える)不安を優しく明るく見守る、やさしいお話でした。
実際の舞台は小さいけど、大きな宇宙(暗い客席側)から明るい小窓(スクリーン)を覗いてみる、実際に小窓から覗いている月の子どもは客の正面にいる(映し出されているもの)、それをさらに客観視できる(ミニチュア舞台)、という視点の交錯がおもしろい作品だったなぁ、と今改めて思い出してみて感じました。
優しいゆっくりとしたお話でしたが、ところどころで笑いが起きていたので、きっと、ちょっとピリッとした皮肉やナンセンスが織り交ぜられていたんだろうなぁ。



人形劇場前ではRats!(スペイン)のパフォーマンス。写真だけでもおもしろい、でしょ。
最後まで見れなかったのですが、
お客さんのカバンや帽子を拝借したり、「チーズ!」と叫んでお客さんの靴を奪い、大喜びして崇めるネズミさんたちでした。

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他にも、劇場の前や後ろをウロウロしていたり、ウロウロし終えてゆらゆらしていたりする生き物たちがいました。

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今回の会場のすぐ傍にはゆったりとした川が流れていて、その川沿いの小道(人形劇場裏)にも小さな舞台が点々と建っていました。
マルシェ・キッチンカーも出ていました。意外に人が少ない・・・!?

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その2へ続く!