どんどこげきじょう仕込み日記

服部喜美・菅沼輝之の二人による幼児向け人形劇『どんどこげきじょう』の仕込み日記です。
2015年2月初演予定。


この作品の公演情報

どんどこ仕込み日記12

小林
さあ、いよいよ明日が初日です。
どんどこげきじょうの人形たちも、梱包物に包まれて、車に積まれていきます。
今回の仕込みは、「初日前日まで人形の作り物がギリギリで、梱包物を作ってる余裕がなーい!」
という状況ではなかったので、すでにキレイな梱包の袋や鞄があります。
梱包2.JPG
こんなことは稀なので、いつもは「工房にある適当な布に包め!」ってなことになります。
梱包物は初日が開けてから作りますね。

というわけで、どんどこげきじょうがいよいよスタート!
これから全国のみなさんにお届けしますので、待っててねー。

どんどこ仕込み日記11

小林
おや、この蓮の葉のようなものはなんでせう?
ケコミ遠景.JPG
ああ、ケコミの下についている飾りなんですね。
お芝居が始まったら見られないであろうこの場所も、開場中や全体の雰囲気作りに重要な役割を果たしています。
ただの緑の幕よりも、これで柔らかい雰囲気が出ますもんね。
細かいところにも気を配る、「ぼくのおとうと」の美術家しみずちかさんなのでした。

どんどこ仕込み日記10

小林
ん?
なんですかこのカステラのような箱は。
そうです、カステラです。
カステラ1番、電話は2番。

…って違うわ!

この箱を開けると…
カステラが開くと.JPG
じゃじゃーん!

「まってまって」の人形たちを持ち歩くためのケースなのでしたー。
繊細な人形たちを搬送時の衝撃から守る優れもの。
ひとつひとつ型を抜いて、はめ込み式になっております。
ゴルゴ13のようだと、劇団では評判です。

どんどこ仕込み日記9

小林
お、可愛らしいかばんですね。
ええ!? これは舞台に出てくる小道具ではないんですか?
梱包?
舞台を車に積んで、公演先の幼稚園保育園さんに行きますが、その際に舞台装置が傷つかないように包むものですね。物を包むためだけにこんな可愛らしいものを?
いやいや、いつもそのへんの布を使って作ってるじゃないですか。
たまたまこんな布があっただけ?
ほうほう、いいキルティングがあってよかったですね〜。キルティングはクッション性もありますしね。

どんどこ仕込み日記8

小林
2本目の人形劇「やさいはおどる」の舞台です。
 
基本の緑の布に、パッチワーク的に色々な柄の布が縫い付けてあります。

3本立てなので、間に舞台転換があります。
その転換も「魅せる」ために、舞台転換も稽古をしています。
45分間の非日常空間を味わってもらうために、がんばりますよー。

どんどこ仕込み日記7

小林
人形劇の人形には「タッチ」というものを入れます。
人間でいうところのお化粧ですね。
強い照明を当ててお客さんに見せる人形たちは、布を貼っただけや地の色を塗っただけでは、ニュアンスが飛んでしまい、のっぺりとした印象になってしまうので、強めの陰影を付けます。

「まってまって」の人形も、半立体部分はサンテックフォームという断熱材に布を貼ってあるので、その上から絵の具でタッチを入れました。
まってタッチ後.JPG
これで動物たちも大活躍できます!
 

どんどこ仕込み日記6

小林
すね毛や!
…と思ったら、これは「やさいはおどる」の山芋ですね。
やさいたち.JPG
他にも、にんじん、なす、レンコン、牛蒡などの野菜が出てくるようですね。
ウレタンで形を作って、それを布でくるんであります。
柔らかい素材なので、色々動きそうです。どのように踊るのでしょうか?
それは観てのお楽しみ!
 

どんどこ仕込み日記5

小林
今回は衣装のご紹介。
どんどこげきじょうのふたりは、上の絵のような衣装を着ることになっています。
デニム地のニッカボッカの様な衣装ですね。
おしゃれさと土臭さを併せ持つこの衣装を作るのは、劇団に入って1年ちょっとの中川生己(せいこ)さんです。
衣装屋さん.JPG
実は彼女、某有名劇団の衣装部に在籍していたこともあり、服を作るのが得意なのです。
前回の新作「おもしろげきじょう」でも衣装プランと製作を担当しました。

仮衣装.JPG
これは白い布で作った仮衣装。妙な味わいがあります。

今回の衣装はまだ完成はしていませんが、細かい作業を丁寧にしていました。
きっとすてきな衣装が出来上がることでしょう。
完成は本番をご覧ください。
作りかけ衣装.JPG

どんどこ仕込み日記4

小林
稽古場は天井が高いので、ストーブを焚いても熱気が上に逃げてしまうため寒いです。
なので、最近はキャンプで使う簡易な屋根をたてて、その中に入って暖まっています。下はホットカーペットなので完璧です!
でも、暖かいのは演出家だけで、出演者はテントの外で演じなければならないので、やっぱり寒いです。

そんな出演者ふたり、てるさんとぽんさんは、演出家が見ていない稽古もします。いわゆる「自主稽古」というやつです。次に演出家に見てもらう時のために、一段高いレヴェルを目指して自分たちだけで稽古をするのです。
でも、前から見てくれる人がいなくなるので、客観的にどう見えているのかが自分たちではわかりません。なので、そこは文明の利器を使うことにしました。
デジタル稽古.jpg
ビデオです!
ビデオで撮った稽古の映像をパソコンで見ることにしたのです。これで、自分たちでも見ることができます!
他の劇団員には「ipadで撮ってそのまま見りゃいいじゃん」と言われながらも、ちょっと古いビデオを愛用するてるぽんずなのでした。

どんどこ仕込み日記3

小林
どんどこげきじょうは3本立てで、内のひとつは武内祐人さんの「まってまって」(大日本書店刊)という絵本を原作にしています。
美術はほぼ絵本そのままですが、出てくる動物たちは動くレリーフ(半立体)にしてあります。

その中のひとつ、主人公のひよこちゃんを裏から見ると、こんな感じになります。
ひよこの裏側.JPG
ボルトとナットとバネなどで、非常にメカメカしています。
分解すると
ひよこバラバラ.JPG
こんな感じです。
小さい人形ですが、動かすためにいろいろな仕掛けが入っているんですね。

どんどこ仕込み日記2

小林
こんにちは。
今日はどんどこげきじょうのメイン作品である「ぼくのおとうと」の美術を担当しております、しみずちかさんをご紹介します。

しみずちかさんは、人形劇団京芸の元劇団員で、劇団にいた頃は役者をされていました。
10年ほど人形劇役者をしたのち、清水正年氏(現社長)との結婚を機に退団され、現在は人形劇人形作家さんとして多方面で活躍中です。
漢字で書くと清水千華ですが、ひらがなで表記しないと地団駄踏んで抗議するので、ひらがなで表記してあげてください。

プランナーちかさん.JPG
さて、そのちかさんは、美術プランもしてくれますが、仕込みもしてくれています。
写真は「ぼくのおとうと」に出てくる「もりおばけ」を描いているところです。


そして、本プランが完成する前に、稽古に使うため(動かし具合をみるため)の仮人形も作りました。
こちら!
ふさふさ兄弟.jpg
左が4才のお兄ちゃん。右が赤ちゃんの弟くんです。
仮人形なのに本番で使うかのようなクオリティだ! と、工房でも評判でした。
本人形も出来上がりつつあり、役目を終えた仮人形くんたちは今このような姿に↓
パンチ兄弟.JPG
【パンチ兄弟】
ちりちりの頭がトレードマーク。
10時前からパチンコ屋の前に並んでいそう。

…こうして兄弟は、工房の仕込み人たちを楽しませているのでありました。

新作「どんどこげきじょう」仕込み日記はじまります。

小林
こんにちは。
ただいま人形劇団京芸では幼児向き新作「どんどこげきじょう」の製作中です!
実はもう初日が2週間後に迫ってからの仕込み日記がはじまります。
どんどこげきじょうは、菅沼輝之(てる)と服部喜美(ぽん)の2人組「てるぽんず」の新作です。
「魔女の宅急便」で有名な角野栄子さん原作の「ぼくのおとうと」(童心社刊)を中心に、武内祐人さん原作の「まってまって」(大日本書店刊)と、てるぽんずオリジナルの「やさいはおどる」の3本立てです。

ジェペットじいさん?.JPG
これは、「ぼくのおとうと」のケコミを作製中の社長、清水正年氏です。
なぜか最近、仕込み中はピノキオのジェペットじいさんのような雰囲気に。(演技中は小学5年生になりきりますが…)

ではでは、初回のジャブはこのへんで。
これから毎日(できれば)仕込み日記を書いていきたいと思いますので、よろしくです〜。
どんどこげきじょう仮チラシura.jpg