Q-1
よくある質問と回答(2003年12月16日更新)
予算はどれくらい必要ですか?
人形劇の経験はありませんが大丈夫ですか?
誰に観せるのですか?
まず何をすればいいのでしょうか?
脚本はどう書けばいいのでしょうか?
材料はどこで買うのですか?
照明・音響はどうしましょう?。以下随時公開予定
結論から言えば、一概には言えません。条件と発想次第です。
例えば人形、お金をかけようと思ったらいくらでもかけられますが、空き缶と画用紙だけでも、人形劇の人形は作れます。例えば脚本、ひょっとしたら上演に際して著作権料を払う必要があるかもしれないし、オリジナルなら確実に無料です。また、京芸の劇団員が人形劇の指導にうかがう場合も、基本的には講師料を頂いております。
結局、予算0円から100万円超の値をとり得ます。したがって実際には、予算の範囲内で出来ることを考える、という流れになることが多いでしょう。
一般的に言えることとしては、お金をかければ時間を節約出来る場合が多い、ということくらいでしょうか。
大丈夫です、多分。理由は二つあります。
一つ目。クラスで人形劇をやるのは、完成度の高い人形劇を上演することが目的なのではないはずです。むしろその過程、つまり必ず起きるであろう対立や衝突・試行錯誤、そしてそれらを乗り越えてゴールにこぎ着ける、という過程の方に重点があると思われます。その点からすれば、「クラスをバラバラにしない」「やる気を持続させる」といった力の方が「人形の作り方」「演技の仕方」といった力より重要になります。もし「人形劇」のやり方が分からない時でも、子ども達が一致して納得出来れば、それが正解です。
二つ目。「面白い芝居」と「上手い芝居」は違います。細かく見ていくと不満や批判がいっぱいあるけど、2時間があっという間で楽しかった、というお芝居もあれば、役者や演出・美術も達者だったけど、途中で退屈して寝ちゃった、というお芝居もあります。経験や蓄積は、上手い芝居は作れても、それが面白い芝居かどうかはまた別なのです。逆に言えば、なんの経験もなくても面白い芝居を作れる可能性はあります。ではどうすれば面白い芝居になるのか。……難し過ぎる質問です(笑)。私たちも日夜考えています。作り手側が、役者・スタッフの全てが、「面白がって」作ることが大切なのだとは思います。
※この項、「面白い」は、「笑える」「泣ける」「怒る」「考え込む」等、色んなことを含めての「面白い」です。
いい時期に学校の行事があればそれでいいのですが、そうではない場合でも出来るだけ、他のクラス・学年の子ども達に観てもらえる方が良いでしょう。子どもに見せるなら放課後でもいいし、日曜日にして、子ども達の親御さんを呼んだりは出来ませんか。まず何をすればいいのでしょうか?
もっと広げて、宣伝物(チラシ・ポスター)やチケット作りなど、「一つの公演を丸ごと体験する」という企画にしても面白いかもしれません。
参照⇒発表の仕方
最初は、子ども達に興味を持ってもらうことが大切でしょう。まず先生が人形を一体(プロに)発注して、一人のキャラクターとして練習することで、その人形が子どもの人気者になった例もあります。脚本はどう書けばいいのでしょうか?
他の学校(クラス)で同じような取り組みをしていれば、それを観ることが刺激になるでしょう。もちろん、鑑賞授業で面白い人形劇を観ることが出来れば、それもアリです。その際は人形劇団京芸までご連絡下さい(笑)。
参照⇒導入案(紙コップ人形で遊ぼう)
脚本集から選ぶ・地域の昔話などを題材にする・先生または子ども達による、全くのオリジナルの話、等、基になるお話は色々考えられます。材料はどこで買うのですか?
いずれにせよ、初めに出来た台本に必要以上に縛られることなく、条件に合わせていかにフレキシブルに変更出来るかがポイントになると思います。
登場人物の数や、全体の長さはどうでしょう。思い切ってカットや追加をしてみると、意外に良い結果になることもあります。
その台詞は子どもにとってリアリティの持てる言葉でしょうか。言い間違えた台詞の方が、実はいい台詞かもしれません。
物語の整合性にとらわれていませんか。ひょっとしたら、多少つじつまが合わなくても、役者の勢いで芝居としては納得出来るかもしれません。
とはいえ、変更する場合は著作権を侵害することのないよう考慮してください。ケースバイケースですので、どの場合に問題があるということは分かりません。
参照⇒脚本のポイント
大抵のものはホームセンターで手に入ります。それ以外のものの例を以下に挙げます。照明・音響はどうしましょう?。
ウレタン:工場に直接注文すれば望みのサイズのものが手に入ります。12cm角のものは京芸でも扱っていますのでどうぞ。(人形劇団京芸 電話0774−21−4080)
発泡スチロール:発泡スチロールとほぼ同じ強度・扱いの「スタイロフォーム」というものがあります。木材・建材を扱ってる店で買えます。
段ボール:段ボールの空き箱をどこかから貰ってくることは出来ますが、どうしても大きなサイズの一枚モノが欲しい時には、直接工場に行けば比較的安く買えます。
塗料:ポスターカラーや絵の具は、大量に必要な時に割高になります。画材屋に置いてある「ネオカラー」という塗料なら、扱いは絵の具とほぼ同じで、500ml程度の缶に入っているので、比較的安くあがるかもしれません。
機材のことで言えば、大抵の学校に何かあるはずです。借りましょう。工事現場によくある投光器だってラジカセだって、立派な機材です。(ついでに言えば、教壇だって長机だって立派な舞台になります。)
機材以外のことで、音について。好きなCDを流すのも音効ですが、そこに捕らわれることはありません。ピアノでもリコーダーでも鍵盤ハーモニカでも、楽器が出来る子がいたら弾いてもらいましょう。なに、オリジナルの曲じゃなくても構いません。弾けなくても、簡単な打楽器くらいなら誰でも出来ます。「行李に小豆を入れてゆすると波の音」といった効果音の道具も、意外に簡単に作れます。子ども達に合唱してもらってもいいでしょう。録音してもいいし、生音なら更に面白いのでは。